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コラム

【ケース別】家を売りたくない――住宅ローンがある家から「相手だけ」を退去させる、金融機関との契約を踏まえた居住調整の実務

2026年2月18日

離婚後も今の家に住み続けたいのに、住宅ローンの名義は相手……。当事者間の合意だけでは動かない銀行との契約を踏まえたうえで、「相手だけを退去さ…

<p>離婚後も今の家に住み続けたいのに、住宅ローンの名義は相手……。当事者間の合意だけでは動かない銀行との契約を踏まえたうえで、「相手だけを退去させる」方法と支払い負担の整え方を、陥りやすい落とし穴と回避策を含めながら、協議書の形まで一貫して解説します。</p>

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<h2>第1章 金融機関との契約条件を踏まえた居住調整</h2>

<p>本章で扱う主なポイントは以下のとおりです。</p>

<ul>
<li>無断居住とみなされないためのロジック設計</li>
<li>銀行への通知タイミングと合意形成の手順</li>
</ul>

<p>結論から述べると、<strong>名義人が退去して居住形態が変わるだけで、期限の利益喪失(=一括返済請求)に直結し得る</strong>点を、最初に織り込んでおく必要があります。実際に、自己居住以外の用途での使用や、銀行の承諾なく長期にわたって自己居住しないことを「期限前の全額返済義務(期限の利益喪失)」の発生要件と定めている規定例も存在します。</p>

<h3>無断居住とみなされないためのロジック設計</h3>

<p>まず押さえるべきは、「名義人の承諾に基づく居住」という整理は、<strong>当事者間の占有権限を明確にする意味では有効だが、銀行に対する免罪符にはならない</strong>という点です。住宅ローンは原則として自己居住を前提とするため、離婚後に名義人が退去し非名義人だけが住む形は、契約条項の内容によっては問題になります。</p>

<p>一方で、当事者間で「言った・言わない」を防ぐ意味は十分にあります。協議書には、少なくとも次の三点をセットで盛り込んでおくと、後のトラブルを回避しやすくなります。</p>

<ul>
<li><strong>居住の根拠</strong>(居住を認める合意の明記)</li>
<li><strong>期間・終了条件</strong>(完済、売却、再婚、一定期間の経過など)</li>
<li><strong>費用負担</strong>(ローン相当額、管理費、固定資産税、修繕費の取り扱い)</li>
</ul>

<p>ただし、金融機関の視点では「占有を第三者に移転する」行為そのものが事前承諾の対象となっている類型もあります。<strong>書面を作成したから安心</strong>と考えるのは危険です。</p>

<h3>銀行への通知タイミングと合意形成の手順</h3>

<p>「銀行に相談すれば丸く収まる」という発想は通用しません。むしろ、ローン商品によっては、<strong>自己居住要件に反する状態が判明した時点で期限の利益喪失→一括返済請求</strong>となり得ます。規定例では、担保不動産を自己居住以外の用途に供したこと、または銀行の承諾なく長期にわたって自己居住しないことが判明した場合に、期限の利益を失う旨が明記されています。</p>

<p>したがって実務上の優先順位は、「とりあえず銀行に事情を話す」より先に、<strong>契約書の一次情報(借入目的・禁止事項・届出義務・期限の利益喪失条項)を確認し、取り得る合法的な選択肢(借り換え・債務者変更の可否・売却等)を整理する</strong>ことです。なお、虚偽の資料提供や虚偽の報告自体が期限の利益喪失の要因となる規定例もあります。隠す・ごまかす方向の対応は、絶対に避けてください。</p>

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<h2>第2章 相手にメリットを提示する「相殺スキーム」</h2>

<p>本章で扱う主なポイントは以下のとおりです。</p>

<ul>
<li>養育費とローン支払額を等価交換する計算術</li>
<li>将来の所有権移転を予約する「仮登記」の活用</li>
</ul>

<p>ここで重要なのは「相殺でスッキリ解決」ではなく、<strong>名目(債務の種類)と資金の流れを透明化したうえで、銀行の契約条項に触れない範囲で合意を積み上げる</strong>ことです。養育費も登記も、やり方を誤ると合意が無効・不安定になったり、ローン契約違反のトリガーを引いたりします。</p>

<h3>養育費とローン支払額を等価交換する計算術</h3>

<p>結論は明快です。「相殺」という言葉どおりに<strong>債権相殺として処理する発想は危険</strong>です。養育費請求権は相殺できない債権に分類されると解説されており(民法510条の整理)、養育費は子が扶養を受ける権利に根差すため、親同士の都合で消し込みにくい性質を持ちます。</p>

<p>現実的な落としどころは、「養育費の支払いに代えてローンを払う」という構成ではなく、<strong>住居の提供(居住費の負担)を考慮した養育費額として合意したうえで、養育費と住居費負担を"別個の債務"として書面化する</strong>ことです。振込口座も分け、証跡が残る形にしておくと、後から「未払い」争いになりにくくなります。また、事情変更があれば養育費額が見直され得ることも、想定として書面に明記しておくと、より安全です。</p>

<h3>将来の所有権移転を予約する「仮登記」の活用</h3>

<p>仮登記は「将来の名義移転の約束」を可視化する手法ですが、住宅ローンが残っている局面では、<strong>そもそも契約上の禁止事項に抵触する可能性</strong>を先に検討すべきです。担保について第三者のために権利を設定・譲渡する場合に事前の書面承諾を求める条項例があり、占有移転や処分についても同様の規定が置かれているケースがあります。</p>

<p>このため、仮登記や名義変更は「離婚協議のテクニック」として先走らず、<strong>金銭消費貸借契約・保証委託約款・抵当権設定契約の該当条項を確認し、承諾の要否を潰してから</strong>検討するのが正道です。出口戦略(完済・借り換え・売却・買取)と評価方法(残債控除、査定基準、費用負担)をセットに設計し、契約違反の火種を増やさないよう心がけてください。</p>

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<h2>まとめ</h2>

<ul>
<li>名義人の退去や無断の居住形態変更は、契約条項によっては期限の利益喪失(=一括返済請求)につながり得ます。</li>
<li>「名義人の承諾に基づく居住」を書面化することは、あくまで当事者間の占有権限の整理であり、銀行に対する免罪符にはなりません。</li>
<li>銀行への通知・相談は万能ではありません。契約書の一次情報(禁止事項・期限の利益喪失条項)を確認したうえで、慎重に進めることが不可欠です。</li>
<li>養育費とローン負担を「相殺」で消し込む発想は避け、住居提供を考慮した養育費額として合意しつつ、債務の種類と振込を分けて透明化します。</li>
<li>仮登記や公正証書などの手続きは、ローン契約の禁止条項・期限の利益喪失条項に抵触しないかを事前に確認してから着手するのが安全です。</li>
</ul>

<p>不安がある場合は、まずローン契約書一式の該当条項を抜き出し、借り換え・名義整理・売却を含めた「契約違反にならない着地点」を専門家とともに設計してください。早い段階で整理できるほど、住み続けるための選択肢が多く残ります。</p>

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<p>個別の事情により適用可否が変わります。詳しくは弁護士・カウンセラー等の専門家にご相談ください。</p>

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