コラム
【財産評価 第3回】株式・投資信託の相続調査|特定口座・NISA口座の注意点と評価方法
相続財産の中に株式や投資信託が含まれている場合、「現金や預貯金と比べてどうやって調べればいいの?」「手続きが難しそう…」と不安に感じる方が少…
<p>相続財産の中に株式や投資信託が含まれている場合、「現金や預貯金と比べてどうやって調べればいいの?」「手続きが難しそう…」と不安に感じる方が少なくありません。</p>
<p>特に、近年普及している**「特定口座」や「NISA口座」**は、通常の口座とは異なる注意点があるため、相続手続きには専門的な知識が求められます。</p>
<p>今回は、相続時の株式・投資信託の調査方法から、相続税評価、そして具体的な手続きの流れまでを解説します。</p>
<hr />
<p> </p>
<h3>1. 株式・投資信託の財産調査はなぜ難しいのか?</h3>
<p> </p>
<p>株式や投資信託は、預貯金のように通帳を見ればすぐに全容が把握できるわけではありません。調査が難しい主な理由は以下の通りです。</p>
<ul>
<li>
<p><b>証券会社が多岐にわたる</b>: 複数の証券会社(対面証券、ネット証券など)に口座を持っているケースが多くあります。</p>
</li>
<li>
<p><b>「特定口座」や「NISA口座」の存在</b>: 故人がどのような種類の口座を開設していたかを把握する必要があります。</p>
</li>
<li>
<p><b>株券電子化</b>: 2009年の株券電子化以降、株券そのものが存在しません。そのため、株主名簿の管理会社(信託銀行)に問い合わせる必要があります。</p>
</li>
</ul>
<hr />
<p> </p>
<h3>2. 相続開始後に行う株式・投資信託の調査方法</h3>
<p> </p>
<p>故人の株式や投資信託について、手がかりが何もない状態からでも調査する方法はいくつかあります。</p>
<p> </p>
<h4><b>【STEP1】手がかりを探す(まずは自力で)</b></h4>
<p> </p>
<p>まずは自宅内にある手がかりを徹底的に探します。</p>
<ul>
<li>
<p><b>取引報告書や取引残高報告書</b>: 証券会社から定期的に送られてくる書類です。</p>
</li>
<li>
<p><b>特定口座年間取引報告書</b>: 毎年1月に送付されます。証券会社名と口座の有無を確認できる最も確実な手がかりです。</p>
</li>
<li>
<p><b>郵便物</b>: 証券会社や信託銀行からの封筒、ダイレクトメールなど。</p>
</li>
<li>
<p><b>PCやスマートフォン</b>: パソコンのメール履歴やスマートフォンのアプリ履歴から、利用している証券会社を特定できる場合があります。</p>
</li>
</ul>
<p> </p>
<h4><b>【STEP2】証券会社への「残高証明書」請求</b></h4>
<p> </p>
<p>手がかりが見つかったら、その証券会社に対して**「残高証明書」**を請求します。この証明書には、故人が死亡した日時点での保有銘柄、数量、評価額が記載されており、相続税の申告に不可欠な書類です。</p>
<p><b>【残高証明書請求に必要な書類の例】</b></p>
<ul>
<li>
<p>故人の出生から死亡までの戸籍謄本</p>
</li>
<li>
<p>相続人全員の戸籍謄本</p>
</li>
<li>
<p>相続人の実印・印鑑証明書</p>
</li>
<li>
<p>残高証明書発行依頼書(証券会社所定の書式)</p>
</li>
</ul>
<p><b>【注意点】</b> 証券会社ごとに手続きが必要です。また、故人の死亡後は口座が凍結されるため、遺産分割協議が完了するまで売却や引き出しはできません。</p>
<hr />
<p> </p>
<h3>3. 【重要】特定口座とNISA口座の相続手続きの注意点</h3>
<p> </p>
<p>株式や投資信託の相続で特に注意が必要なのが、<b>特定口座</b>と<b>NISA口座</b>です。</p>
<p> </p>
<h4><b>① 特定口座の相続手続き</b></h4>
<p> </p>
<ul>
<li>
<p><b>特定口座とは</b>: 証券会社が納税手続きを代行してくれる口座です。</p>
</li>
<li>
<p><b>相続時の手続き</b>: 特定口座は、相続人の口座へ移管されます。この際、<b>故人の死亡日の株価で評価された金額が、相続人の取得価格となります</b>。</p>
</li>
<li>
<p><b>実務上のポイント</b>:</p>
<ul>
<li>
<p>相続後の売却益に対しては、相続後の値上がり分にのみ課税されます。</p>
</li>
<li>
<p>故人の譲渡損益は引き継がれません。</p>
</li>
</ul>
</li>
</ul>
<p> </p>
<h4><b>② NISA口座の相続手続き</b></h4>
<p> </p>
<ul>
<li>
<p><b>NISA口座とは</b>: 一定の金額内での投資で得た利益が非課税になる制度です。</p>
</li>
<li>
<p><b>相続時の手続き</b>: NISA口座は、相続人が引き継いで非課税運用を続けることができません。<b>故人が死亡した時点で非課税の恩恵は終了</b>し、通常の課税口座へ払い出されるか、売却されることになります。</p>
</li>
<li>
<p><b>実務上のポイント</b>:</p>
<ul>
<li>
<p>故人名義のNISA口座にある金融商品は、相続発生後、**「相続人名義の特定口座または一般口座」**に移管されます。</p>
</li>
<li>
<p>この移管手続きは、原則として<b>相続発生から1年以内</b>に行う必要があります。1年を過ぎると、税務署への手続きが必要になり、より複雑になります。</p>
</li>
</ul>
</li>
</ul>
<table>
<thead>
<tr>
<td> </td>
<td><b>特定口座</b></td>
<td><b>NISA口座</b></td>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<td><b>相続人の受継ぎ</b></td>
<td>可能(相続人の特定口座へ)</td>
<td>不可(非課税期間は終了)</td>
</tr>
<tr>
<td><b>相続後の移管先</b></td>
<td>相続人の特定口座</td>
<td>相続人の課税口座</td>
</tr>
<tr>
<td><b>手続きの期限</b></td>
<td>なし</td>
<td>原則として<b>相続発生から1年以内</b></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p> </p>
<hr />
<p> </p>
<h3>4. 株式・投資信託の相続税評価方法</h3>
<p> </p>
<p>相続税を計算する際、株式や投資信託は「故人が死亡した日」の時価で評価されます。</p>
<ul>
<li>
<p><b>上場株式</b>: 死亡日の終値、または死亡日を含む月の終値の平均、前月・前々月の終値の平均のうち、最も低い金額で評価されます。</p>
</li>
<li>
<p><b>投資信託</b>: 死亡日の基準価額で評価されます。</p>
</li>
</ul>
<p><b>【実務上のポイント】</b> 相続財産の評価には専門的な知識が求められます。特に、上場株式の評価額は、日々の株価の変動によって変わるため、正確な金額を算出することが重要です。</p>
<hr />
<p> </p>
<h3>まとめ:株式・投資信託の相続は専門家への相談が近道</h3>
<p> </p>
<p>株式や投資信託は、預貯金と比べて調査や手続きが複雑であり、特にNISA口座には1年という期限があるため、迅速な対応が求められます。</p>
<p>HANAWA行政書士事務所では、神奈川県川崎市から一都三県を中心に、財産調査の方法から、相続税評価、証券会社とのやり取り、遺産分割協議書の作成まで、相続・遺言・信託・生前整理のサポートを実施しております。</p>
<p>「何から手をつければいいか分からない」</p>
<p>そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。<br />
</p>
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<p><a href="https://hanawa-office.jp/">HANAWA行政書士事務所のホームページはコチラから</a></p>
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<p>特に、近年普及している**「特定口座」や「NISA口座」**は、通常の口座とは異なる注意点があるため、相続手続きには専門的な知識が求められます。</p>
<p>今回は、相続時の株式・投資信託の調査方法から、相続税評価、そして具体的な手続きの流れまでを解説します。</p>
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<h3>1. 株式・投資信託の財産調査はなぜ難しいのか?</h3>
<p> </p>
<p>株式や投資信託は、預貯金のように通帳を見ればすぐに全容が把握できるわけではありません。調査が難しい主な理由は以下の通りです。</p>
<ul>
<li>
<p><b>証券会社が多岐にわたる</b>: 複数の証券会社(対面証券、ネット証券など)に口座を持っているケースが多くあります。</p>
</li>
<li>
<p><b>「特定口座」や「NISA口座」の存在</b>: 故人がどのような種類の口座を開設していたかを把握する必要があります。</p>
</li>
<li>
<p><b>株券電子化</b>: 2009年の株券電子化以降、株券そのものが存在しません。そのため、株主名簿の管理会社(信託銀行)に問い合わせる必要があります。</p>
</li>
</ul>
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<p> </p>
<h3>2. 相続開始後に行う株式・投資信託の調査方法</h3>
<p> </p>
<p>故人の株式や投資信託について、手がかりが何もない状態からでも調査する方法はいくつかあります。</p>
<p> </p>
<h4><b>【STEP1】手がかりを探す(まずは自力で)</b></h4>
<p> </p>
<p>まずは自宅内にある手がかりを徹底的に探します。</p>
<ul>
<li>
<p><b>取引報告書や取引残高報告書</b>: 証券会社から定期的に送られてくる書類です。</p>
</li>
<li>
<p><b>特定口座年間取引報告書</b>: 毎年1月に送付されます。証券会社名と口座の有無を確認できる最も確実な手がかりです。</p>
</li>
<li>
<p><b>郵便物</b>: 証券会社や信託銀行からの封筒、ダイレクトメールなど。</p>
</li>
<li>
<p><b>PCやスマートフォン</b>: パソコンのメール履歴やスマートフォンのアプリ履歴から、利用している証券会社を特定できる場合があります。</p>
</li>
</ul>
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<h4><b>【STEP2】証券会社への「残高証明書」請求</b></h4>
<p> </p>
<p>手がかりが見つかったら、その証券会社に対して**「残高証明書」**を請求します。この証明書には、故人が死亡した日時点での保有銘柄、数量、評価額が記載されており、相続税の申告に不可欠な書類です。</p>
<p><b>【残高証明書請求に必要な書類の例】</b></p>
<ul>
<li>
<p>故人の出生から死亡までの戸籍謄本</p>
</li>
<li>
<p>相続人全員の戸籍謄本</p>
</li>
<li>
<p>相続人の実印・印鑑証明書</p>
</li>
<li>
<p>残高証明書発行依頼書(証券会社所定の書式)</p>
</li>
</ul>
<p><b>【注意点】</b> 証券会社ごとに手続きが必要です。また、故人の死亡後は口座が凍結されるため、遺産分割協議が完了するまで売却や引き出しはできません。</p>
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<h3>3. 【重要】特定口座とNISA口座の相続手続きの注意点</h3>
<p> </p>
<p>株式や投資信託の相続で特に注意が必要なのが、<b>特定口座</b>と<b>NISA口座</b>です。</p>
<p> </p>
<h4><b>① 特定口座の相続手続き</b></h4>
<p> </p>
<ul>
<li>
<p><b>特定口座とは</b>: 証券会社が納税手続きを代行してくれる口座です。</p>
</li>
<li>
<p><b>相続時の手続き</b>: 特定口座は、相続人の口座へ移管されます。この際、<b>故人の死亡日の株価で評価された金額が、相続人の取得価格となります</b>。</p>
</li>
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<p><b>実務上のポイント</b>:</p>
<ul>
<li>
<p>相続後の売却益に対しては、相続後の値上がり分にのみ課税されます。</p>
</li>
<li>
<p>故人の譲渡損益は引き継がれません。</p>
</li>
</ul>
</li>
</ul>
<p> </p>
<h4><b>② NISA口座の相続手続き</b></h4>
<p> </p>
<ul>
<li>
<p><b>NISA口座とは</b>: 一定の金額内での投資で得た利益が非課税になる制度です。</p>
</li>
<li>
<p><b>相続時の手続き</b>: NISA口座は、相続人が引き継いで非課税運用を続けることができません。<b>故人が死亡した時点で非課税の恩恵は終了</b>し、通常の課税口座へ払い出されるか、売却されることになります。</p>
</li>
<li>
<p><b>実務上のポイント</b>:</p>
<ul>
<li>
<p>故人名義のNISA口座にある金融商品は、相続発生後、**「相続人名義の特定口座または一般口座」**に移管されます。</p>
</li>
<li>
<p>この移管手続きは、原則として<b>相続発生から1年以内</b>に行う必要があります。1年を過ぎると、税務署への手続きが必要になり、より複雑になります。</p>
</li>
</ul>
</li>
</ul>
<table>
<thead>
<tr>
<td> </td>
<td><b>特定口座</b></td>
<td><b>NISA口座</b></td>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<td><b>相続人の受継ぎ</b></td>
<td>可能(相続人の特定口座へ)</td>
<td>不可(非課税期間は終了)</td>
</tr>
<tr>
<td><b>相続後の移管先</b></td>
<td>相続人の特定口座</td>
<td>相続人の課税口座</td>
</tr>
<tr>
<td><b>手続きの期限</b></td>
<td>なし</td>
<td>原則として<b>相続発生から1年以内</b></td>
</tr>
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<h3>4. 株式・投資信託の相続税評価方法</h3>
<p> </p>
<p>相続税を計算する際、株式や投資信託は「故人が死亡した日」の時価で評価されます。</p>
<ul>
<li>
<p><b>上場株式</b>: 死亡日の終値、または死亡日を含む月の終値の平均、前月・前々月の終値の平均のうち、最も低い金額で評価されます。</p>
</li>
<li>
<p><b>投資信託</b>: 死亡日の基準価額で評価されます。</p>
</li>
</ul>
<p><b>【実務上のポイント】</b> 相続財産の評価には専門的な知識が求められます。特に、上場株式の評価額は、日々の株価の変動によって変わるため、正確な金額を算出することが重要です。</p>
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<h3>まとめ:株式・投資信託の相続は専門家への相談が近道</h3>
<p> </p>
<p>株式や投資信託は、預貯金と比べて調査や手続きが複雑であり、特にNISA口座には1年という期限があるため、迅速な対応が求められます。</p>
<p>HANAWA行政書士事務所では、神奈川県川崎市から一都三県を中心に、財産調査の方法から、相続税評価、証券会社とのやり取り、遺産分割協議書の作成まで、相続・遺言・信託・生前整理のサポートを実施しております。</p>
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